POLARIS_CAM_edited_edited.jpg

山陰中央新報12/25掲載島根県原子力安全顧問会議」におけるコメントについて(2021年12月28日)

山陰中央新報(12/25)でコメントの一部が引用された中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の再稼働に関する「島根県原子力安全顧問会議(11/17開催)」における勝田忠広教授の発言の趣旨を明確にする為、会議内の発言を掲載します。

山陰中央新報12月25日.jpg

島根県には中国電力島根原子力発電所が3基あり、1号は廃炉、2号は2021年9月に新規制基準の審査が終了した(3号は一度も運転開始がされないまま審査中)。県は2021年10月から2号の再稼働について住民説明会を開催している。
勝田代表は2012年から島根県の原子力安全顧問を務めており、2021年11月17日の島根県原子力安全顧問会議において発言を行った。以下はその発言要旨に加筆修正を行ったものである。
---------------------------------------------------

「住民説明会」では最初に規制庁による説明が行われた。しかし本来であれば、事業者がまず再稼働の必要性や安全対策を述べ、続いて彼らをサポートする経済産業省、そして事故対策の規制を考えた規制庁や避難対策を行う内閣府がつづくべきだったと思われる。規制の話が先にあるというのは再稼働ありきととらえられても仕方がない。

また県は、この住民説明会で住民の意見を聞いてみたい、という趣旨を述べている。しかし本来は、事業者や国だけではなく、県が自治体としての意見を述べ、住民がそれらの意見を聞いて判断をするのというが正しく、また福島第一原発事故後の社会のあり方にふさわしい。

 

例えば県は交付金の実情を説明すべき義務がある。交付金の7割以上が福祉医療や乳幼児医療、県民会館の維持費、芸術センターの維持に当てられているが、それらを県民に示し、その現状は正しい行政なのか歪んでいるのか、国や事業者に安全性を求める際の負い目となっていないか、県民に議論してもらうべきだ。

 

このような意見交換の結果として県民は再稼働について自らが判断し納得をする事ができる。そうでなければ、県民は原子力行政への当事者意識がなくなり厳しい視線がなくなる。そうすると事業者は運転がおろそかになり安全性が低下し危険な状況となる。また避難計画への住民の積極的な参加も進まなくなる。

 

よって本当に県が原子力安全を考えるのであれば、県は「住民の命を預かる責任者」としての意見を「命を預けざるを得ない住民」に示さねばならない。県民を守るという口実のための交付金によって県民を危険な目に合わし、将来世代に放射性廃棄物を残すことが正しい行政なのだろうか。再稼働の結論を出すのは県ではない、住民だ。