明治大学POLARIS 2018年度公開連続講座「市民社会は最新の科学技術に追いついているのか」
第1回「ロボットは市民社会を変えるのか?」開催報告
1.講演
「民間ロボット研究開発の現状と展望」※講演資料の配布は会場限定
浅野 優
株式会社 日立製作所 研究開発グループ デジタルイノーベーションセンタ
メディア知能処理研究部 研究員、
博士(情報科学)
日立製作所が開発したロボット「EMEW3」を例に「接客や案内サービスを行うロボットに関する取り組みとご紹介」というタイトルで、開発に至る経緯、背景、社会的な動向、技術的な説明、実用化に伴う実証実験に至るまでを解説した上で「ロボットと人の関わり方」や「言語コミュニケーション」といった点においての課題や展望を呈した。
2.対話ーロボットと人間についてー
(1)問題提起「ロボット推進政策の課題」※配布資料PDF
勝田 忠広
明治大学法学部教授、明治大学POLARIS代表、博士(工学)
ロボットの定義や民間から軍事まで様々な種類のロボット技術の一例を挙げ、役割や用途といった社会との関わり方、ロボットに関する政府の政策、世界の動向や事例を紹介しつつ、そこから垣間見えるロボットと人間の関わり方から社会的な影響等いくつかの課題について統括的に問題提起した。
(2)対話
リアルタイムアンケートを元に参加者全員で議論
講演、問題提起の後に来場者を対象に下記のようなアンケートを行い、結果を元に全員で議論を行った。
[リアルタイムアンケート]
Q1:ロボットにして欲しい事は?
1.社会でのサービス 2.家事 3.その他
結果:
半数強が「1.社会でのサービス」、半数弱が「2.家事」、少数が「3.その他」と回答。
Q2:ロボットのある世界は魅力的か?
1.はい 2.いいえ 3.わからない
結果:
半数強が「1はい」、半数弱が「3わからない」、少数が2「いいえ」と回答。
[議論]
アンケートの結果を元に学生、一般参加者から意見を募り、講演者を含めた会場全体でロボットの福祉や生活に関わる「民生利用」から「軍事利用」まで様々な観点から議論を行った。
[まとめ」
ロボットに対し、単なる「良し悪し」「好き嫌い」では無く、既に何らかの恩恵を受けているのという事を前提として「どう捉えて、どう考え、どう使われるべきなのか?」という引き続きの議論や再考の重要性を再確認した。